科学×絵本から生まれた特別なひととき。親子で楽しむおはなし会

科学×絵本から生まれた特別なひととき。親子で楽しむおはなし会

最前線の「科学」を親しみやすく面白く紹介することで定評のある国立科学博物館(科博)。その中でも子どもに大人気なのが「親と子のたんけんひろば コンパス」だ。恐竜、ホッキョクグマといった標本、遊具や絵本に囲まれ、子どもにとってはまるで夢の国のよう。そんなコンパスで、国立国会図書館国際子ども図書館が「おはなし会」を開催。科博の企画展をきっかけに生まれたこのイベントは、子どもたちの心をギュッとつかんだようだ。

科博の企画展をきっかけにイベント開催

国際子ども図書館と科博は歩いて数分の距離にある“ご近所さん”。

両館はそれぞれ、絵本を切り口に、子どもたちの想像力を育む活動に力を入れてきた。国際子ども図書館は、夏休みを除く毎週土曜日に、ストーリーテリング(昔話などを覚えて、本を見ずに語ること)や読み聞かせを行う「おはなし会」を開催。一方、科博のコンパスも「絵本を持って博物館をまわってみよう」をコンセプトに「えほんmeets博物館」というプログラムを展開している。

そんな両館が初めてタッグを組んだのが、今回のおはなし会だ。きっかけは、科博の企画展「絵本でめぐる生命の旅」(2019年12月〜2020年2月に開催)だった。

科博のコンパスは、4〜6歳の未就学児とその保護者を対象にした展示室。遊びの中に親子のコミュニケーションを促すしかけが詰まっている。

「“恐竜博士”として知られる科博の真鍋真さん監修で、絵本をテーマにした企画展が開かれると聞いて、とても楽しみにしていたんです」と話すのは、国際子ども図書館企画協力課広報係長の福井千衣さん。内覧会で展示を目の当たりにして、その素晴らしさに感動したという。

今回のイベントを企画した国際子ども図書館の福井千衣さん。

「恐竜をはじめとする標本がいくつも展示されていて、入り口にはダーウィンが乗った船『ビーグル号』をイメージした絵本コーナーが設えてあったんですよね。それを見た瞬間に、ここで読み聞かせをしたら子どもたちがきっと喜ぶはず!と思って、科博さんに思い切って打診をしてみたんです。そうしたら、『ビーグル号』は狭いのでコンパスにしませんか?というお返事をいただいて。コンパスの素晴らしさはよく知っていましたが、まさかそこでおはなし会を開くことができるなんて……。科博さんのご協力に感謝しています」

読み聞かせをする国際子ども図書館の福島清裕さん。後ろに座った子どもたちにも絵本の絵が見やすいように、国際子ども図書館から大型絵本を持参した。

そうして開かれた「子どものためのおはなし会 in コンパス」。平日ということもあって「どのくらいの人が参加してくれるか、始まるまでドキドキでした」という福井さんだったが、開始時間が近づくにつれて子どもたちが続々と会場に集まり、企画展「絵本でめぐる生命の旅」監修者の真鍋さんも駆けつけた。そんな“大入り満員”のおはなし会は、わらべうたで子どもたちの緊張をときほぐしてからスタート。「このしっぽの動物は何?」という問いかけに、我先に動物名を連呼するなど子どもたちは大盛り上がり! また、恐竜の標本を目当てにコンパスを訪れる子どもが多いようで、恐竜の骨をテーマにした『ほね、ほね、きょうりゅうのほね』のページを食い入るように見つめる様子が印象的だった。

科博の企画展「絵本でめぐる生命の旅」にちなんだ3冊を読み聞かせ。
会場には企画展「絵本でめぐる生命の旅」で紹介されていた絵本も。

「初めての会場だったので少し緊張しました。でも、科博のコンパス担当の方が打ち合わせのときから積極的に関与してくださり、おはなし会をコンパスのプログラムの中にうまく取り込んでくださったので、とてもスムーズに準備を進めることができました。子どもたちも最後まで楽しんでくれたようで、安堵しました。今後もこんなふうにそれぞれの施設の強みを生かした連携イベントを企画できたら、と思っています」



文/湯田陽子 撮影/三吉史高

国際子ども図書館職員による 子どものためのおはなし会 in コンパス

場所:国立科学博物館 地球館3階「親と子のたんけんひろば コンパス」
日時:2020年2月19日(水)午後2時10分〜(20分間)

※このイベントは終了しました。

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